活動履歴(TEXT)

活動履歴(TEXT)

当NPOは桐生地域のまちづくり団体と協力して『情報化でひとづくり・まちづくり・お手伝い』を実践しております。最終的には『自律分散協調型ネットワーク』をまちづくりへ応用し、我々の提唱する”コミュニティープラットフォーム”と”コミュニティーアーカイブズ”でまちづくりをサポートする体制づくりを考えております。

■NPO:桐生地域情報ネットワークの活動履歴紹介

  • ● 活動履歴とプロジェクトの概要

    【桐生市の歴史と現況】

    我々の町”桐生”は『織物の都』として栄え、1300年の長きにわたり”きりゅう”の織物史を延々と築き続けてきました。特に江戸時代後半より、京都西陣にも劣らぬ技法で「八丁撚糸機」や「桐生お召し」を生み出し、桐生の地域経済は昭和中期まで日本の繁栄の基礎を築きました。それは、西洋のマニュファクチュアにも匹敵し、日本における近代化へのあゆみのひとつでもありました。しかしながら、バブル崩壊以後、長引く不況下で繊維産業の衰退は目を覆うものがあり、若年層が勤務地に近い郊外に移るドーナツ化現象が急速に進み、旧市街地の衰退に拍車がかかっております。桐生においては高齢者率が極めて高く、既に平成14 年3月末日で全体の22%を超えようとしています。いわゆる“少子高齢化”の典型都市であります。

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    【桐生市の歴史と現況】

    我々の町”桐生”は『織物の都』として栄え、1300年の長きにわたり”きりゅう”の織物史を延々と築き続けてきました。特に、明治より昭和中期まで日本の繁栄の基礎を築き、それは、西洋のマニュファクチュアにも匹敵する、日本近代化へのあゆみのひとつでもありました。しかしながら、バブル崩壊以後、長引く不況下で繊維産業の衰退は目を覆うものがあり、若年層が勤務地に近い郊外に移るドーナツ化現象が急速に進み、旧市街地の衰退に拍車がかかっております。桐生においては高齢者率が極めて高く、既に平成14年3月末日で全体の22%を超えようとしています。いわゆる“少子高齢化”の典型都市であります。

    【活動の履歴とNPOの設立】

    上記のような現状を鑑み、(1987)当時の若者達が集まり『愛するまち“桐生“』を残そうと、立ち上がります。バブル期後半1984年、当NPOの母体である”渡良瀬クラブ21”がまちづくり企画集団として誕生し、その後、情報化を武器に北関東一を誇ったパソコン通信『渡良瀬ネット』を運営、平成7年には、任意団体『桐生広域インターネット協議会』を立ち上げ、連綿10数年に渡り活動してきました。 更に、平成13年5月、時代のニーズに答えるべく『情報化を通して、まちづくり、ひとづくり、お手伝い』をスローガンとしてNPO法人:桐生地域情報ネットワークを設立するに至りました。

    【NPOの活動指針】

    当NPOは10数年に渡る活動の中から醸成したスローガン『情報化を通して、まちづくり、ひとづくり、お手伝い』を元に、以下のように3つの柱を活動指針として活動しております。

    1. 1.桐生広域の文化歴史の蓄積・発信
    2. 2.ITの普及・啓発・教育
    3. 3.情報化についての提言と実践
    【オセッカイなHP作りでネットワーク作り】(蓄積・発信事業)

    パソコン通信の頃より”インターネット“に強い関心を持ち、独自の勉強会を開催しながら、桐生市の文化・歴史・産業・人物など、多くの団体のホームページの製作を手がけ、1.5ギガ以上のコンテンツの作成を行いました。当初は『お節介集団』と言われながらも、桐生のまちづくり団体との連携の基礎ができて、現在は100以上の団体と協力してまちづくりを行うことが可能となりました。以下に、製作したHPを列挙致します。

    (以下主なURLのみ掲載)

    【指針に基づくイベント履歴】(普及・啓発・教育事業)

    人材発掘と組織間ネットワーク作り・IT普及を含めて、沢山のイベントに協力させて頂きました。概略については、末尾資料(1)参照下さい。

    【桐生地域情報化マスタープラン提言】(提言・実践事業)

    NPO設立直前の平成13年1月、桐生市へのアピールを含めて、桐生広域の有識者、各種まちづくり団体、在京大学研究者、NPO運営委員らが結集して『住民が考える桐生地域情報化マスタープラン』をつくり桐生市に提言しました。桐生市は“IT推進室”をつくり、市民に答えて活動を開始し、その素早い行動は高い評価を得ております。

    URL: http://www.kaic.net/kcan/index.html

    【新しい隣組”CommunityPlatform”の提唱】(提言・実践事業)

    上記プランよりITを基盤として、各種団体が自律分散協調する『Community Platform』を提唱しました。プラットフォームでの活動記録が、ITを利用して蓄積され”地域の遺伝子“CommunityArchivesとなると仮説し、これを提唱しました。以下2つの言葉の説明を加えます。

    • 【Community Platform定義】

      “地域に根ざした新たな活動拠点”をCommunityPlatformと呼ぶ。NPOなどの活動機会を「新たな活動の場」(CommunityPlatform)と定義する。

      Community Platformには、ハード面での既存の施設(公民館、図書館など)やソフト面での市民団体(婦人会、PTAなど)があるが、地域の情報ネットーワークの拠点となる町内CP(ITを応用した『新しい隣組』)を構築することで、これらが自律しながら協調して都市や町のネットワークになり、『自律分散協調型ネットワーク』が形成される。つまり、地域や住民の『ニーズとシーズ』がバランスよく結び付き運用される“21世紀の隣組”の仕組みである。(別途メイルにて説明図送付)
    • 【CommunityArchivesの定義】

      地域固有の文化・歴史・人物・産業・環境などあらゆる物を後世に残し伝え、まちの文化遺伝子を大切にする心や思想を、高齢者や体験者から聞き取り、それを編集・蓄積するプロセスから醸成する作業そのものを、『地域の文化遺伝子の蓄積』(コミュニティー・アーカイブズ)と定義する。上記プラットフォームの活動結果としてこれらアーカイブズが蓄積される。

    【まちなか情報サロン・ファイバーカフェの機能】(提言・実践事業)

    上記コンセプトを元に「まちなか情報サロン・ファイバーカフェ」を桐生市に提案、第4次総合計画・情報拠点整備事業の一環として、補助を受けながら平成13年5月にFiverCafeの運営を開始しました。年間利用者6000名以上の実績と、何とかカフェ経営の黒字を確保できました。

    http://www.fivercafe.com

    • 多機能イベントプレース(新しい隣組)としてのFiverCafeの機能
      1. 1.インターネットカフェ
      2. 2.IT教室、IT講習会の開催
      3. 3.インフォメーションセンター (観光案内所、イベント情報チラシ)
      4. 4.イベントへの場所提供 (会話、手織り手機教室、演奏会、展覧会)
      5. 5.情報発信基地
      6. 6.地元商店街のIT基地 (商店街HP作成・運営管理・相談事業)http://www.fivercafe.com

      それと平行して、桐生市老人クラブ連合会・群馬大学工学部学生たちと協働して、以下の事業も推進中です。

    【新・あすへの遺産『桐生織物と撚糸用水車の記憶』発刊】(蓄積・発信事業)

    江戸後期桐生お召し織物の原点となった水車と八丁撚糸機について、調査研究し、平成15年3月に冊子を発刊した。http://www.npokiryu.jp/asuenoisan

    【桐生織物の歴史文化そして職人の系譜】(蓄積・発信事業)

    平成15年度は『お召しと職人の系譜』を製作中です。

    【産学官民で作る21世紀の街のためのプロジェクト】(普及・啓発事業)

    更に、桐生市、商店街組合、群馬大学生、と協同して『WINDコミュニィテイプラットフォーム協議会』を設立し、中心商店街の活性化プロジェクトを展開しています。詳細は下記URLを参照願います。(今年度は、無線LAN、まちなかミニシアター実証実験、中心商店街3F空部屋活用プロジェクト、WebTV局などなど、企画進行中です)

    http://www.kiryutimes.co.jp/news/0306/28/top_00.html

    --------資料(1)-------

    【指針に基づくイベント履歴】(普及・啓発・教育事業)
    昭和59年:
    朝飯会:渡良瀬クラブ21結成(1984)http://www.ensc.com/kaic/sanka/wat21/index.html
    昭和60年:
    渡良瀬ネット運用開始、北関東一のパソコンネットへ発展
    平成4年:
    ネットワーキングフォーラム桐生開催http://www.nmda.or.jp/rio-net/library/jirei/shintyoku/kiryu.html
    平成7年:
    桐生広域インターネット協議会設立http://www.kaic.net/
    平成8年:
    NTTとコミュニティーメーカ『連』開発
    平成9年:
    ファッションタウン桐生推進協議会発足に参画HP担当http://www.ftnet.or.jp
    平成10年:
    ピーター・グリナウェー監督作品『81/2の女たち』ボランティアサポート・http://www.kiryu.co.jp/812women/
    平成11年:
    ワダエミ衣装展『物語の衣装』桐生展開催

    http://www.kiryu.co.jp/wadaemi/exhibitionkiryu

    平成13年:
    1月 市民が考える桐生地域情報化マスタープラン作成

    http://www.kaic.net/kcan/index.html

    平成14年:
    5月 平成13年度厚生労働省受託 ミレニアム・プロジェクト 福祉・生活関連サービス分野における高齢者の雇用・就業地域モデルの構築に関する研究 最終報告書」(財団法人高年齢者雇用開発協会)
    平成13年:
    5月 NPO桐生地域情報ネットワーク設立

    http://www.npokiryu.jp

    平成14年:
    5月 まちなか情報サロン・ファイバーカフェ開設

    http://www.fivercafe.com

    平成15年:
    3月 新・あすへの遺産プロジェクト『桐生織物と撚糸用水車の記憶』発刊

    http://www.npokiryu.jp/asuenoisan

    平成15年:
    6月 新・あすへの遺産プロジェクト『桐生お召しと職人の系譜』取材開始
    平成15年:
    7月 ”WINDコミュニティープラットフォーム協議会”設立に参画

    http://www.kiryutimes.co.jp/news/0306/28/top_00.html

■プロジェクトの具体的効果について

  • 10数年の継続活動により柔軟で強固な人的ネットワークが形成。まちづくり組織や行政・大学との連携し協働作業の中から『コミュニティープラットフォーム』の構築と『桐生の遺伝子』の発掘・形成・保存の事業を展開。
    1. 1)桐生関連コンテンツの作成
      • 桐生地域の文化・歴史・自然・風物、グルメ情報、観光情報、各種団体のHP作成など、10年で2ギガのコンテンツ。
    2. 2)起業家養成と事業展開
      • 会社設立(3件)、SOHO独立(5名)
    3. 3)コミュニティ・アーカイブズの作成
      • ・新明日への遺産『桐生織物と撚糸用水車の記憶』HPと冊子発刊
      • ・桐生織塾の『布のデータベース』作成開始
    4. 4)まちなか情報サロン・ファイバーカフェの運営
      • ・桐生市の補助事業として中心市街地にインターネットカフェを開設し、情報化拠点としている。
    5. 5)WINDコミュニティープラットフォーム協議会の設立
      • ・NPOの提言を元に、産学官が協力し中心商店街でコミュニティープラットフォームの実践開始。

■本活動のユニークさ

  • Internet>技術を、あえて狭い範囲(顔の見える地域内)で活用する研究と実践を行ってきた。当NPOは『情報化を手段としたまちづくり・ひとづくり・お手伝い』をスローガンに活動するが、“21世紀のまち”とは『地産・地消・地住』つまり、地域循環型の経済社会にあると考え、壊れた町のネットワーク再生にヒューマンネットワークとITを応用した活動を実践中である。
  • 長年の活動の経験から『住民が考える“桐生地域情報化マスタープラン”』を作成し、これに基づいて“住民が行う地域情報化アクションプラン”を提言し、実践を行っている。
  • まちづくり団体のホームページつくりお手伝いから始まった活動は、産官学民の人的ネットワークに裏打ちされ、その活動の範囲を広げつつあり、『新しい隣組』(コミュニティープラットフォーム)と『桐生の遺伝子』(コミュニティ・アーカイブズ)の蓄積と発信が大きなうねりとなり“まちづくり”が始まっている。

■ITの活用面でのユニークさについて

  • 新しい地域ネットワークにはITは必要不可欠な道具ではあるが、IT教育という強いニーズを足がかりに、住民や各種団体との連携を深める道具として活用している。

  • 更に、P2Pなど新しい概念を積極的に取り入れ、新しい隣組(コミュニティープラットフォーム)の構築に必要なファクターや財政支援等の研究も進行中である。

  • また繊維産地桐生に残る職人やアーティストの貴重な資料、そして桐生の文化・歴史・自然・人などを、ITを駆使し映像と文章と音で残し、未来の子供たちに伝える義務(桐生の遺伝子の継承)を強く感じ活動を続けている。

■将来展望と克服すべき課題

  • ●コミュニティープラットフォーム作成事業

    H15年7月より当NPOの提言を元に『WINDコミュニティープラットフォーム協議会』を設立し中心商店街で、情報化を通したまちづくりの実践に着手。

    1. 1)まちなかミニシアター事業(50人規模の映画館)
    2. 2)まちなかHotspot事業(無線LAN敷設事業)
    3. 3)商店街3階空き住宅利活用プロジェクトとプランニングコンテスト
    4. 4)ミニコミ情報誌・インターネットHP、携帯電話の多メディアによる実験
    5. 5)まちづくりへのP2P技術応用研究
  • ●コミュニティ・アーカイブズ事業(桐生の遺伝子を後世に残す事業)
    1. 1)新・あすへの遺産プロジェクト
      • 第二弾として『桐生御召しと職人の系譜』冊子製作プロジェクトが進行中。
    2. 2)動画のアーカイブ事業
      • 桐生キネマ塾と協働、桐生の古い動画フィルムの発掘とデジタル化を開始、貴重な桐生の文化遺産のデータベース化。
    3. 3)織物・布のアーカイブ事業
      • 織物工場・個人所有・研究機関等の織物や布の調査と、デジタル化保存開始。

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