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「まちづくりの現場が求めるネットワーク」
―― 地域コミュニティ活動と次世代技術の融合 ――


塩崎
:続きまして、群馬大学の学生がレポートを出してくれました。
今年の3月に桐生中央商店街のホームページを当NPOが作らせて頂いたのですが、このホームページを評価しようということで、群馬大学の学生がこれについてのレポートを出してくれました。
学生のF-BOXという団体がございます。その代表の東井千裕さんと、後藤美希さんに発表していただきます。よろしくお願いします。

後藤:今回、私たちは、桐生中央商店街振興組合のホームページ調査を行いました。
私はファイバーカフェでアルバイトをしており、そこにそれぞれのお店のホームページをプリントしたものが置いてあります。それを見ても各お店に興味がわくことはありませんでした。そこで、ホームページを作ってもらった商店街側の本音はどうなのだろうと思い、商店街の方にアンケートを行い、NPOでは聞けなかったと思われる本音を聞いてきました。

お手元の資料の三枚目をご覧ください。
アンケート項目は次の7点です。
1、 パソコンは利用したことがありますか?
2、 桐生中央商店街振興組合のホームページを見た事がありますか?
3、 桐生中央商店街振興組合のホームページを作って何か効果が得られましたか?
4、 ホームページに期待した事はありましたか?
5、 その期待に答えてくれましたか?
6、 これかのホームページに期待する事はありますか?
7、 他に販売促進に関して行い事はありますか?
以上の7項目の質問を行いました。

まず、1の「パソコンは利用したことがありますか?」という質問に対しては約9割の方が「はいと」いう答えでした。そのほとんどは仕事関係で、その他はメールなどのインターネット利用でした。
次に、2の「桐生中央商店街のホームページを見た事がありますか?」という質問に対しては、これも9割の方が「はい」という答えでした。その中でホームページを作った側の満足ではないかという厳しい意見もありました。
さらに、3の「桐生中央商店街のホームページを作って何か効果を得られましたか?」という質問に対しては、9割の方が「いいえ」という答えでした。それは一般の人がホームページを知らないのではないか、ホームページを見てもお店の目玉商品がわからないという意見がほとんどでした。
また、4の「ホームページに期待しましたか?」という質問に対しては、約8割の方が「はい」という答えでした。お客様が商品の把握をできる様にしてほしかった、商店街全体のPRをして欲しかったという意見がありました。
5の「その期待に答えてくれましたか?」という質問に対しては、9割の方が「いいえ」という答えで、ほとんどの方がホームページは効果がなかったとしています。
また、6の「これからのホームページに期待する事はありますか?」という質問に対しては、約9割の方が「はい」という答えでした。頻繁に更新して欲しい、人と人の繋がりなので、店主や従業員の写真の掲載を希望する声がありました。
最後に7の「他に販売促進に関して何か行いたい事はありますか?」という質問に対して、「はい」と答えた方は約9割でした。お店の定期的なイベントや、商品の通信販売をしたいとの事でした。

これらのアンケート調査の結果についてまとめてみると、ほとんどの方が現在のホームページについて何らかの不満をもっていますが、ホームページ自体には期待しているということがわかりました。では、どのようなホームページなら商店街の方達が満足したのでしょうか。それを消費者の立場から見た意見として、提案させて頂きたいと思います。

東井:今回はサンプルとして「花清」さんのホームページを例に取りました。
まず大きな問題点として挙げられるのは、花清さんの社長、近藤一氏が日本有数のフラワーアーティストであるにもかかわらず、それがホームページ上で一つも触れられていないということです。
取材に行ったときに知ったのですが、このような本も作られていて、素晴らしい才能をお持ちですが、それが紹介されていないというのは非常にもったいないことだと思います。これが一番の“ウリ”に相当する情報であり、それが触れられてないということは、魅力的なデータの不足に繋がるのではないでしょうか。
これを元にホームページへの意見を4点上げてみたいと思います。

まず、第一にコピーです。ホームページ上でのコピーというのは、“もっと知りたい”と思わせるために、その情報が書いてあるテキストへの入り口の役目を果たすものです。今のホームページでのコピーでは、テキストを読む気にはなりません。
次に二つ目のテキストです。コピーを受けて、もっと知りたいと思って読むのがテキストですが、インパクトが無く当たり障りのないものになっています。これではコピーを読んでもっと知りたいと思った人が居たとしてもがっかりさせてしまいます。
そして三つ目にデータについてです。このホームページではページのテキスト部分をデータが占めています。もともと決まりきったことにそんなにスペースをとる必要はないと思います。このデータのスペースを少なくすることで、他にもっと有益な情報をたくさん載せられるようになるのではないでしょうか。
最後に写真です。皆様はこの写真を見てお店に行ってみたいという気持ちになりますか?
写真もコピー同様、テキストに繋がるものです。ましてやこのホームページではテキストより大きなスペースを取っているので、一番最初に目に入ると言っても過言ではありません。この写真はピンボケしていて、被写体の花も造花のように見えてしまいます。これではせっかくの花も台無しです。

以上を踏まえて、私たち消費者の立場から、こういうホームページになって欲しいという提案をしたいと思います。

正面の画面を見てください。
ホームページの構図は大きく分けると二つに分けられます。固定した店のイメージや、ウリになる部分を載せるスペースと、定期的に更新される新しい情報を載せるスペースです。

最初にカテゴリです。カテゴリには大きなスペースを当てる必要はなく、見出し程度で十分と考えます。
二つ目に店名です。店名はやはり一番上にわかりやすく表示します。
三つ目にコピーですが、ホームページを開いたときに、他の店と違う情報の中で一番最初に目に入る部分です。花清さんであればフラワーアートをアピールすべきだと思いますし、その店と商品についてもっと深く知りたいと思わせるものを載せるべきだと思います。
四つ目にテキストです。テキストは、この店に行ってみたいと興味を持たせるものであるべきです。その店にしか無いものや、個性、魅力的なものを載せたらいいのではないでしょうか。
五つ目の写真ですが、これもコピーと同じで、その店を知るための入り口となるものです。テキストを読みたくなるような写真であることはもちろん、テキストと同じくらいのスペースを大胆に使うことによって、インパクトを付け、季節を問わずその店の看板となるものであるべきです。
6つ目の写真2です。ここからが更新可能なスペースとなります。季節によって変わる目玉商品を載せることにより、お客様のニーズに近づけることは確実です。6月にはジューンブライドのブーケの写真や、母の日が近くなったらカーネーションを使ったアート作品など、他の花屋では出せないものの写真を載せることで、目に見える差が生まれるのではないでしょうか。
7つ目に写真3についてですが、お店に行く前に視覚的にお店を覚えていただく事はとても重要だと思っています。以前私は、個人的に探したいお店があって、あるホームページを見たのですが、お店の外観が載っていませんでした。そこで住所だけを頼りに捜し歩いたところ、ものすごく時間がかかってしまいました。このようなことを防ぐ上でも、周りの風景を取り入れ、なおかつイメージを壊さないような写真が必要だと思います。
8つ目に吹き出しです。店主や店員からのメッセージを入れます。ここを更新することで、その時期の売れ筋商品やお勧めがわかり、親近感もわくのではないでしょうか。
9つ目にデータです。データで使っていたスペースは他の魅力を紹介するのに使わせていただきました。小さいスペースでも、ただ載せるだけでなく、住所をクリックすれば小さい地図が出てくるように細工するなどすれば、スペースも活かせると思います。
最後に店主の写真とプロフィールです。ホームページというのは人間味が失われがちな媒体です。人をちゃんと感じられるホームページになれば、よりお店も近くに感じられるようになると思います。

今回、消費者の立場から客観的に見てホームページをまとめてみて、作っただけで満足している、作りっぱなしのものがどれだけ多いかということがわかりました。
これから、周りのホームページやイベント主催団体に対して、消費者という立場から意見を出して、地域のよりよい街づくりに貢献していければと思います。

以上で発表を終わります。

塩崎:東井さん、後藤さん、ありがとうございました。非常に手厳しい評価をいただきましたが、適切な評価だと痛感しております。作らせていただいたNPOとしましても、よりよいものをご提供できるよう中央商店街の方とはお付き合いをさせていただきたいと思っています。どうもありがとうございました。

以上で報告事項の発表とさせていただきます。

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