星合隆成氏発言

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「まちづくりの現場が求めるネットワーク」
―― 地域コミュニティ活動と次世代技術の融合 ――


西山
:ありがとうございます。地理的な制約のある中で、色々な会が重層的に重なりあっているわけですね。
今いくつもの要望を長田さんにいただいたわけですが、この辺について星合さんに実際のアプリケーションの想像できる仕組みを、技術面から見てこんな風に出来るのかといったところをお話いただければと思います。

星合:今、お三方から示唆に飛んだ問題提起をいただきました。
P2Pを啓蒙する立場から、私なりに感じたことや、今まで思っていたことをお話します。

一点目は、三友さんがおっしゃっていることなんですが、主目的はあくまで地域の活性化やコミュニケーションの活性化が目的であって、それを推進する有効な技術があればそれを使えばよく、別にP2Pである必要はないと私も思っています。
ではなぜP2Pかと言いますと、先ほど三友さんが分類されていた中にもう一つ私が加えたいのは、参加型のコミュニケーションがあると言いたいです。柔軟な参加型のコミュニケーションはP2Pを使うのがもっとも親和性が高い技術であると考えています。
そういう意味におきまして、従来型の技術を消滅させるというのではなくて、住み分けるわけです。適材適所、向き不向きというのがありますから、P2P、クライアントサーバー型、どちらでも自分たちがやっている事に一番適した技術でやればいいんですね。
P2Pというのは始まったばかりでまだ実績も何もない技術ですから、それがどのようなもので、どのような方法論で運営していったらいいか、技術的なことでなくそれをどう活かすか、コミュニティの中でどう成長させるか、そういったところは自分たちで決めていくべきだと考えています。その結果、使えなければやめればいいわけですし、もっと向くところで使えばいいので、臨機応変な使い方をすることが大事であり、やっとその選択肢を手に入れたんではないかなと思っています。使うも使わないも、育てるも育てないも我々しだい、つまりユーザー次第だと考えています。

長田さんがご指摘された地域の定義というのも、人によって思いというものもありますし、そこで何をしたいか、何をアナウンスしたいか、何を発信したいか、何をコミュニケートしたいかというのもありますし、それは千差万別です。
大事なのはそこに柔軟に対応できる技術であるかということです。これには使えるけれど、あとは使えない、というのではやはりコスト的に高くつきます。臨機応変に使い方を変えられる技術というのは、結果的に息の長い技術になります。そうなればトータルのコストパフォーマンスを下げるという意味で、P2Pにその可能性があるのではないかと思いますし、やっとそのスタートラインに付いたと強く感じています。

吉浦さんからも大事なご指摘をいただいて、ここがP2Pを運営していく中で本質的なものになっていくと思います。
技術的に言うとクライアントサーバー型でやった方が管理しやすいわけですから、管理責任も問いやすいですし、きめ細やかな管理も出来るというのはその通りであり、またそれと同じ世界をP2Pでどう保障していくかというのは課題であり、考えていることです。
ただ、P2Pというのは技術なので、技術というのは完成というのはありえないことでして、吉浦さんからご指摘されたところもこれから改良していくべき部分です。
強く感じているのが、技術で解決することも大事なんですが、100%解決できるということはありえないので、例えばその場を運営していく人達の意識、クライアント型であればサーバーを管理する人の意識になるわけです。皆さんがボランティアでサーバーと同じものを運営していくわけですから、そういう意識をメンバーみんなで作っていくという文化を作る事が大事だと思います。

西山:どうもありがとうございます。育てていくという意味では、地域、それから色々なコミュニティビジネスの場でも、小さく初めてみんなが自由に参加し、求められていなければ消えていくということになっていくと思います。町内会などがこういった技術をどう使っていくかということも興味があります。

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