長田克比古氏発言

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「まちづくりの現場が求めるネットワーク」
―― 地域コミュニティ活動と次世代技術の融合 ――


西山
:どうもありがとうございました。
世間では地域情報化を進めることが、地域の課題解決に有効であるという潮流が出てきたのは90年代でしょうか。そういう中で三友さんが指摘された通り、どうも失敗から学ばないといけない状況だというのは、今の時代では事実だと思います。そこにはどうやら地域の求めた情報化ではなかったのではないかという反省と同時に、そもそもそこでいわれている地域活動自体が間違っていたのではないかという批判もあるわけです。

そのような地域活動の地域とは何か、どのような属性、先ほどの三友さんはレイヤーと言われましたが、どのようなレイヤーなのか、どんな属性を持って形成されているのか、また今後どのように形成されていくことが望まれているのかということで、お話を進めたいと思います。
地域活動を桐生で実践されてこられた長田さんから、地域というくくりや考え方をお聞きしたいと思います。

長田:はい。今回の題になっていますが、次世代ネットワーク技術は地域情報化の救世主となるかと。地域ということを考えたときに、まず一つは今日いらしている皆様のように、地域活動、まちづくり団体の活動を通して、地域を変えていこうという活動もあるんですけれども、もう一つ物理的に地域を考えてみたいと思います。

地域活動と言ったとき一般には、東京を中心としてそれ以外のことを地域と言っています。そうしますと、地域と言うのはどうも東京から見た周りのことで、物理的に小さく見ていくと地方となり県となり市となり、もっと小さく見ていくと我々が生活している上での地域の通学圏となります。そうしますと日常生活をしている我々が毎日見られる範囲に入ってきます。小中学生のお子様を持っている家族からは、その通学圏が一つの地域となるわけですけれども、もっと小さい町内会という単位もあります。

町内会というと桐生では、400〜500世帯で一つの町内会を形成しています。しかし地域活動としてみてみると、これでもまだちょっと大きい。そうすると桐生の場合は班という単位があります。私の住んでいる町内会では一つの班が70〜80世帯になっています。しかしこれも、日常生活から見てみるとまだ大きいんです。実際に動いてる単位では、隣組ぐらいになります。これは15世帯ぐらいですが、これが一つの物理的な地域と考えたときに、どうも我々が日常生活の中で捉えることが出来る地域は、せいぜい大きくても町内会ぐらいまでのところじゃないかと感じられるわけです。

隣組の活動がどの程度のものかというと、これはいわゆる助け合いです。我々の隣組で催される一番大きな集まりはお葬式です。お葬式があると、お勤めの人は皆休み、お店をやっている人はお店を閉めまして、お葬式一本で固まるわけです。そしてそれぞれが受付をしたり、交通整理をしたり、色々と動くんですが、これは15世帯あってやっと動かせるぐらいの大きさです。
他には町会費を集めたり、回覧板を回したりというのが仕事としてあります。ところがこの狭い単位でも、留守のお宅がどんどん増えてきています。留守になりますと、一つの回覧板を回すことにおきましても、ぐるっと回るまでにかなりの時間がかかるわけです。何か期日があるイベントのお知らせが入っていても、一周するころには期日を過ぎていたということも起こるわけです。

これが一番小さな地域の活動ですけども、この上の班や町内会でも色々と活動があります。町内会単位では育成会です。昔で言うところの子供会ですが、これは夏祭りの時の子供みこしをしたり、カルタ大会をしたり、スケート教室をしたりします。
他に昔からあるもので婦人会、今注目を集めているのは老人会などです。
それらとは別に、先ほど属性のお話がありましたが、任意の団体があります。それは、カラオケ教室があったり、編み物教室があったりです。それぞれに町内の方が独自に動いている活動があります。
このように見ますと、町内会という昔からある地域が、今までより活動しやすくなっていくのではないかと薄々感じています。というのは、さきほど回覧板を回すにも留守が多いと言いましたが、これをネットワーク技術を使って解決できないかと考えたからです。

例えば回覧板代わりに掲示板を作ると、管理者やサーバー等が必要になって大変ですが、P2Pを使ってそれを解決できないかと思いました。
他にも様々な情報、例えばちょっとしたニュース等を、P2Pを使って簡単に得ることが出来る様になるんじゃないかと思っていますので、その辺のことをよろしく教えてください。

西山:ありがとうございます。地理的な制約のある中で、色々な会が重層的に重なりあっているわけですね。

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