西山:もう一度パネルの方に戻しますが、会場の方からいくつか意見をいただきました。
ここで一言ずつコメントをいただきたいと思いますが、長田さん、今までの議論の中でいかがでしょうか。
長田:P2Pのことが段々わかってきたんですけども、街づくり団体などの活動をしている方は、積極型の活動だと思います。先ほど私が話した町内会は、どちらかと言うと受動型の活動になりますので、先ほどはこういうものがあったらいいとお話はしたんですけども、P2Pを使うということを考えるなら、積極型の活動をやっている方がネットワークを作るために使ってみると、面白いことができるんじゃないかと思いました。
西山:おそらくそういう方たちが先陣をきって使っていって、後々に空気のように当たり前に広がっていくのだろうと思います。ありがとうございました。
三友さん、いかがでしょう。
三友:私は最初のプレゼンテーションの中で、失敗から学ぶと申し上げましたが、失敗に学ぶ必要はあるんですが、失敗を恐れてはいけないというのが大事なことです。どうしてもうまくいかないことは当然あるわけです。
1回自分で何かをするという気持ちを、多くの人が持つことが大事なんだろうと思います。富山さんがやってみることが大事とおっしゃりましたが、まずそこでありまして、実行してみた経験というのはその人が持ちますし、実行したことによってその人の言うことに非常に説得力が出るわけです。本などから得た知識をいくら振りかざしても、それは説得力に欠けるわけで、やはり自分がやってみた経験を発信し、次に活かしていくことが大事だと思います。
それから、P2Pという言葉から受けるイメージもあるのかもしれませんが、システムとしてなんだかよくわからないというのが正直なところだと思います。
何がクライアント型で何がP2Pだかというのは、参加する人は知っている必要はないと思います。すなわち例えば、パソコンを立ち上げれば自分の求めるものが手に入るというのが全てでありまして、それがP2Pなのかクライアント型なのかというのは、どうでもいいことであるわけです。
求めるものが出来るだけ効果的に手に入るシステムを提供しなくてはならないですし、我々がそういう事例を作っていく必要があると思います。
西山:ありがとうございます。吉浦さん、実際に求められるものを提供する立場として、一言お願いします。
吉浦:はい。P2Pというよりも既存のシステムの問題点をあげたほうが、利点がわかると思います。
クライアントサーバーモデルと出ましたが、普通の利用者の方は、例えばメールを送ったとすれば、自分の書いたものが普通に相手に届いているという印象でしょうが、実際のところはサーバーというものが介在しているわけで、サーバーに送ったメールが残っているわけですね。そうするとそのメールは、管理者に見られるという可能性はあるわけです。
実際私は大学でその管理者を何人か育てているんですけども、テクニカルな面よりもそういう面の方が大変なところがあります。
通常それに対抗するために暗号化するという技術があるんですけども、暗号化されたメールも何年かたったら解読される可能性は十分にあるわけです。
そのような弊害を解決するにはP2Pのように間にサーバーを介在せずに、送りたい人に直接送ることをすれば、解決するだろうと思います。
西山:ありがとうございます。それでは、星合さん、お願いします。
星合:そういう意味でP2Pをもう一度ご説明させていただきますと、例えば塩崎さんは色々活動されているわけです。クライアント型の例えに塩崎さんの活動をとると、塩崎さんはサーバー、サーブする人、すなわち奉仕する人なんですね。クライアントはそれを享受する人で、口をあけて待っているだけです。
それに対してP2Pのモデルは参加型で、そこが大事なわけです。塩崎さんがこういうことをやろうとみんなにコーチするわけです。この指とまれというわけで、それに対して賛同する人がぱっと集まるのがP2Pなんです。
そうするとクライアントサーバー型と何が違うかというと、クライアント型ではクライアントが増えるとサーバーである塩崎さんがもたないわけです。そうすると塩崎さんと同じことをしようとする人を連れてこなくてはならないわけです。これがサーバーの設備投資という意味になるわけですが、どんどんコストを追加していかなければならないわけです。
ですが賛同してくれる人がぱっと集まってくれれば、塩崎さんの稼動というのは減るわけです。協力してくれる人が増えるわけですから。そういう参加型のコミュニティを作るのにP2Pは向いているよね、というのがもともとの発端であるわけです。
三友さんがおっしゃったようにトップダウンとボトムアップの両極面、これが大事で、トップダウン的なものを作るのであればクライアント型の方がずっと向いていると思います。
それに対してボトムアップはP2Pが向いていると。で、賛同者がいなければその場は自然消滅するわけです。賛同者がいればいるほど、その場は大きく発展しますが、皆が協力するので設備投資はいらない、そこに親和性があるのではないかと思います。是非そういう使い方を根付かせて、新しい分野を切り開いていけば面白いことが出来るんじゃないかという可能性があるということです。これはあくまで手段であり技術ですので、うまくいくかどうかは使っている人にかかってくると思います。以上でございます。
西山:ありがとうございます。
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