小平 それがフロッピーになったら楽なものですよ。紋紙自体いらないし、機械が勝手にやってくれるんですから。そのかわりコンピュータが壊れちゃうと2日でも3日でも直らないんですけど。あれはもう専門家が入らないと駄目だからね。
吉田 機織りや機屋の領域じゃないからね。
小平 機械直しだって、それを直せる人っていうのは電気関係専門の人じゃないといけないし、なかなかいないんですけどね。
――壊れるというのはどういう状態になることですか?元に戻せないとかそういうことですか?
吉田 それは色々あってね。とにかく織機というのは合理的にできているんだけど、言ってしまえば誠に幼稚なんですよ。ですから壊れるというより故障ですね。
小平 らせんが切れても駄目、針金が伸びちゃっても駄目、そんなつまらない故障なんですよ。昔の機械はそういうのがしょっちゅうありました。
吉田 そういった機械が何十台ってあるから、機械直しも結構いたね。
小平 6台に1人ぐらいの割合でいましたね。
大阿久 機械が壊れても、機織りの手で油の付いた部品とかをいじると、絹まで汚れちゃうでしょう。だから壊れた時はいちいち機械直しさんに頼んだんですよ。ちょっとした事でも自分たちで触れないもんだから、機械直しさんは余計に要りましたね。
小平 随分いたね。裏が4人で表が2人。
それから我々の異動もありましたね。第1、第2、第3工場まであって、だいたい1年に1回ぐらいのペースで交代していました。 |