――例えば11月何日とかを「着物の日」にするっていうのも良いですよね。
上岡 あるにはあるんですよ。
原澤 そうなんですか?
――あ、そう言えばやってましたよ。森秀さんの長谷川さんとか織物に携わってる人が、みんな着物着て、袴着て。ファッションウィークの辺りだから3日ぐらいか。
上岡 そうだね。3日あたりにもあったね。桐生は15日じゃなかったかな。
原澤 群大の学生はみんな着物着て。
――そうそう、みんな着物で講義受ければいいじゃん。
奥さん 楽しいですね(笑)。是非やってくださいよ。
――先生びっくりするだろうな〜。
上岡 着物着ると姿勢がこう、伸びるでしょ。
――あ、分かります。ほんとにそうなりますよね。私は、着物着ると女らしくなる気がします。
奥さん 女性はそういうところあるでしょうね。
――原澤さんは、普段着物着ないんですか?
原澤 作務衣は着てますけどね。あれは楽で良いですよ。
上岡 年中着ないとね、体が合わなくなってくるんですよ。
――あの、僕は着物とか着たことないんですけど、ちょっと羽織らせてもらって良いですか?
奥さん どうぞどうぞ。あら丈が短いんね。今の人はみんなおっきいから。それで帯び締めちゃえば完成。裄がもうちょっとあればね。本当はここまでこなくちゃいけないわけだから。
上岡 それでも、袖をおろして拵えたやつなんだけどな。
奥さん 体格の良いときに作ったものだから、今お父さんが着たら長過ぎだろうね(笑)。
――いや〜めったに着れないですよね、こんな良い物。
上岡 やっぱり若い人が着てくれると嬉しいもんだねえ。
――現在、全国的にも絹を専門にやってるところって少ないんでしょうか?
上岡 少ないですね。
――ひとつのことに特化しているって、とても強いことだと思うんですが…。
上岡 そうだけど、それに携わっている人が居なくなってきちゃってね。
奥さん 今の人は、どうしても率の良いこととかに流れていって、なかなかこういう仕事には目が向かないんだよね。昔から覚えて身につけたもんは、みんな年を取っちゃったし。
――整理のお仕事をされているのは、だいたい同じくらいの方なんですか?
上岡 これでも私が1番若いんですよ。あとはもっと年取ってて。
――じゃあ、ほんとに次が…。
上岡 そう、居ないんですよね。
原澤 後継者がいないとねえ、どうしても寂れてきちゃうんだよな。
上岡 せっかくこの地に根付いている文化なんだし、何とか残して行きたいんですけどね。
|