桐生お召しに関わる職人たち
桐生お召しと職人の系譜
桐生市老人クラブ連合会/NPO法人桐生地域情報ネットワーク

太縄 うちは物持ちがいいほうなんですよ、30年も40年も前は、まだ戦前の機械がしばらく動いてましたから、部品なんかも捨てられないでいるんですけど、傷んだかどうかもわかんないから、今でも持ってますね。もしかすると八丁のスピンドルや錘だとかもあるかもしれません。

藤井 うちでもね、1カケ分か30本分は修理したわけ。垂ず輪からなにからね。あと残ってるのが5カケ分、1台で30本として5倍残ってるかな。

太縄 それはもう大事にしてていただきたいですね。

藤井 垂ず輪はなんかありますか?使えるんだけ揃えたりしてね。それも全部ね繊維工業試験場に納めてある。それで今言った八丁もね昭和の一桁の頃の八丁、輪っかが大きいんだけどそれも行ってる。なんかあそこにね、職業訓練所みたいのがあったよね?

太縄 ありました、ありました。

藤井 それが太田へ越したんで、部屋が空いたんだ。そこを織物組合で借りて織物の資料を入れてあるらしいんだよね。

太縄 よく訓練校を借りて展示会をやりましたよ。あの頃は景気の良いときでしたから、設備の更新も多かったしね。


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はじめに
桐生お召しから龍村織物専属デザイナーへ
“柄”を生み出す演奏家
桐生で唯一の絹専門の染め屋
今もなお現役で筆を握る図案作家
2人の整経屋からみた現実と未来
高速化に対応して世界屈指の職人へ
桐生織物の職人たち
機械直しから紗織の名人へ
全盛期を支えたお召し織物の稼ぎ頭
経糸と共に繋いだ夫婦の絆
商品の価値を決める最終段階
桐生の織物産業を陰で支える
桐生の織物産業を陰で支える
機料屋の仕事
桐生から無くなる機料工場
客観的に見た桐生織物業界
織物の道具
意外な接点を作った機械
藤井さん家の機械の行方
錘・垂ず輪・スピンドル
お召しが衰退したもう一つの原因
八丁撚糸の復活
猫の毛皮
桐生の織物機械
大縄機料に残る様々な道具と機械
海外に残る桐生の織機
シンポジウム
職人が語る桐生お召しの系譜

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